井堀 昭一(S44E卒)
 

高専ロボコンの意義について

 


最近人間型ロボットの話題がメディアを賑わしております。愛知万博ではロボット館までありました。トヨタ館の混み具合は全く異常なほどでした。私もGW明け5月7日愛知万博観覧予定でトヨタ館の予約を取るため午前半休を取ってインターネット予約に挑戦しましたが、途中で何回も切断されて、15分ぐらいで当日分がなくなりました。慌て日立館へ変更して辛うじてとることが出来ました。ネットバトルのすざましい世界を始めて経験しました。トヨタ館の人気は人間型ロボットによる楽器演奏とそのショー企画とあったものと思います。つくば万博の時はピアノを演奏するロボットがありましたが、格段の技術進歩を感じます。
 つい最近、村田製作所が自転車にのったロボットが平均台を簡単に通過するニュースもありました。大手自動車メーカや電機メーカなどからも次々に発表があいついでおりました。日本は工業用ロボットの利用台数でも世界トップを走っているので、人間型ロボットでもきっとトップを走っているのではないかと思いますが、最近米軍が兵士の死傷者数を減らす目的で、戦闘ロボットを開発中とのニュースも流れており予断を許しません。SFや鉄腕アトムマンガの世界へ近づいていることをひしひしと感じるこのごろです。
 ところで、気になる高専ロボコンはインターネット調査によると1988年に開始され、今年2005年には18回目を迎える歴史があります。昨年優勝の松江高専のHPでは各年度での状況も公表されています。ロボコンの興味が増してきたので、ロボットに関する各種競技会にはどんなものがあるのか調査したら実にたくさんあるのには驚きました。競技名称のみ上げますとマイクロマウス大会、ロボット相撲大会、ロボコン(高校、高専、大学、大学国際大会)、ROBO−ONE(格闘技・自由演技)、Robo−Cup(サッカー)などあり、高校生から大人を対象にして上位優勝者には賞金が出るものもあるようです。
 高専ロボコンへ話を戻すと我が大分高専では唯一全国大会出場経験がないとことで、今年は最優先課題の1つとして、各学科の総力を結集して全国大会出場を目指してロボットの開発を進めていると伺っております。残念ながら個人的にはアドバイスできるような力はありませんが、図解雑学ロボット:監修新井健生(発行ナツメ社)を読んだ感想ですが、各種センサーの精度と画像認識・制御ソフトがキーになると思いました。ロボコンの特徴として、サイズ、予算などが、毎年変更されており、製作期間も制限されているなかでは毎年上位の成績をキープするにはかなりの努力が必要と思われます。ロボットの制御ソフトは組込みソフトと言われる分野と思いますが、オープンソース化がかなり進んでいる世界と聞いています。最新情報や文献をよく調査すれば、もっといろいろなものが見えて来て新しいと思っていたアイデアが必ずしもそうでもない、人間おなじようなことを考える人もいるのだと思いつくこともあるものです。但し、同じアイデアでも実現手段が違うと機能・性能に差が出てきますのでアイデアだけでは勝負は難しいところです。残念ながらアイデアだけでは特許にはなりません。
 予算や期間が制限された中で、物やシステムを開発して機能や性能が評価されるということは実社会において、物づくりをする時に非常に大切な要素です。予算に糸目を付けずによい物を作っても商品価値はありません。常にコスト/パフォーマンスと商品の販売投入時期が売上に大きな影響を及ぼします。そういう意味において、実社会にでた時、ロボコンの開発経験は大変役に立つと思いますので、頑張って欲しいと思います。ロボット制御の基本的技術はそんなに目新しいものは出てこないでしょうから、既存技術をいかに蓄積して、組み合わせていくかが腕の見せどころではないかと思います。もうひとつ大事なことは開発チームのまとまりと優れたリーダの存在が大きな力になるということです。芸術や文学の世界では個人の能力に負うところが大きいと思いますが、物つくりやシステム開発ではそうは行かず、チームワークの力が結果を左右します。大分高専が全国大会レベルへ行けないのはその当たりの何かが不足しているとしか考えられません。毎年同じ失敗をしないようにして基礎を固めてきていると思いますので2005年は同窓生としても大いに期待しているところです。
 最後にロボットに対する個人的な期待を述べさせてもらいたいと思います。工業用ロボットはほぼ行く所まで行ったというと言い過ぎかも知れませんが、今後は人間型ロボットへの期待が高まっていると思います。人間型ロボットで介護ロボットも研究されているようですが、個人的にはロボットによる介護は受けたいと思わないし、子供の遊び相手と教育ができるような人間型ロボットを期待したいですね。また人間型である必要はないが、患者への影響が少ない内視鏡手術が今後期待されており高度なノウハウが要求されるので、医療ロボットで手術し、オペミスを防止できるといいですね。しかし、完全無人の手術ロボットでは怖くて嫌な感じですね。究極のロボットは人間にとって役立つ学習能力をもって人間と感情面も含めたやり取りができるロボットがいいかな。但し「犯罪には絶対に手をかさない。」というとSFの世界に近づくかな。

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